KIDから発売されているPS2向けサスペンスアドベンチャーゲーム「Remember11」のシナリオの謎についての考察などです。ネタばれなので,未プレイ・未クリアの人は見ない方がいいです。
注1:この考察はあくまでも憶測なので無保証です。また,いないとは思うがこの内容についてKIDとかに問い合わせたりしないように(笑)。
注2:この考察はまだ未完成なので適宜更新される可能性があります。最終更新:2004-08-29
| ゆに | 「あとは、言わなくてもわかるでしょ?」 |
| 悟 | 「分からないよ…分からないよ、ゆにタソ」 |
一応完成していると考えられる。
確かに,ココロ編とサトル編の両方のグッドエンドを見ても謎が半端にしか分からないが,謎のヒントは,シナリオの分岐を総当たりでチェックしたり(時にココロ編とサトル編を行ったり来たりする必要がある),バッドエンド(とくに,悟が第3領域にとどまってしまった場合の計画失敗エンド)やTIPSなどに示されており,不親切かもしれないけれども,それなりにプレイヤーの疑問には答えていると考えられる。
むしろ,このゲームはinfinity loopになるように作られており,それがこのゲームのテーマそのものである。サトル編のグッドエンドを迎えても,このゲームは終わったわけではないのである。謎の手がかりを知るためにもどうしてもココロ編とサトル編の双方を行ったり来たりする必要があるし,また謎の概要が見えてくればなにが無限ループになっているかは分かってくる。そして,制作者は,ループになってゲームが自己完結している構造をとっていること自体をこのゲームの完成と見ているふしがある。
サトル編のグッドエンドを見た段階で謎が解明されず,さらにプレイを繰り返さないといけないにもかかわらず,それが十分に示唆されていない(だから,「わけわかんね」と投げ出してしまう人が出てしまう)点には,制作者が不親切であると言わざるを得ないが,謎の手がかりをつかみたいのであればさらにプレイしないともったいない。もしかすると制作者サイドは使い捨てみたいに一度クリアされてしまえば捨てられる(中古屋に売られたりする(苦笑))最近のゲームソフトの現状を危惧していたのかもしれない(ちなみに,中古市場にソフトが出回らなければ新品がそのぶん売れるという説も…)。(でも結局,未完だと誤解されて中古屋に売られるという罠に陥ったかも…)
このゲームは,一度クリアしておしまいではなく,completeすることを要求するゲームである。
もっとも,completeしても明確な正解が提示されるというわけではない。どうやら,それが今回の監督のポリシーらしい。答えを求めるならプレイヤー自身が考察を深めなければならない。ゲーム自体が「終わる」のではなく,プレイヤーがゲームを「終える」ものらしい。つまり,プレイヤーがゲームを投げたとき,このゲームが終わる。
じつは,スフィアの地下で悟が会った榎本は榎本ではない。少なくとも肉体は。それは,計画失敗エンドや,内海計画成功エンドで明かされる。実際には,悟(主人公)の入っている肉体が榎本の肉体である。
そして,時空間転移の計画をすすめて実行したのは榎本と,本来の優希堂悟である。計画失敗エンドで出てくる二人はおそらく,2011年7月の優希堂悟と榎本尚哉であろう。
スフィアの地下で「榎本」(スーツ姿)と計画失敗エンドで「榎本」でジャックナイフを構えるシーンがオーバーラップしている。ここからも,この2人の人格が同一であることが示唆されている。
サトル編グッドエンドの最後で黛が悟(主人公)を見て「あなた誰?」と問うことからも,悟(主人公)の肉体が実は優希堂悟のものでないことがわかる。
計画失敗エンドで優希堂悟(スーツ)が,悟(主人公)に誰かの記憶が入り込んでいる旨を発現している。また,サトル編の序盤に悟(主人公)自身が自分が記憶障害に陥った可能性を示唆している。さらに,悟(主人公)が時計台から落ちている途中で,一人称が「俺」から「オレ」に変わっており,TIPSから「俺」と「オレ」が異なることがわかる。
計画失敗エンドで悟(スーツ)が,悟(主人公)の愚かさを嘆くが,悟(主人公)が誤った選択をしたのはなぜか。それは,プレイヤーが誤った選択をしたからである。すなわち,悟(主人公)の人格はプレイヤー自身の人格である。
とすれば,時計台から落ちる前の「俺」は誰か。本物の悟か榎本と考えられるが,スフィアの地下に本物の悟の肉体に入った榎本がいるとするなら,時計台から落ちる前の「俺」は本物の悟の人格と推測される。じっさい,計画失敗エンドで榎本の一人称は「私」であるから,消去法でも本物の悟であったことがわかる。悟(主人公)がこころの肉体で朱倉岳にいるときの言動で黛の心が動いたことからすると,本物の優希堂悟の言動パターンも榎本の肉体に残っていた可能性もある。
こころが「私は籠女」と言ったのはそもそもはHAL18便の機内という密閉空間に閉じこめられた存在であるからであろう(「籠」の中の女)。また,事件にとらわれ,雪山やスフィアに閉じこめられたという意味でも閉じこめられた女である。
しかし,犬伏によると,「籠女」は妊婦のことを意味するという。また,かごめ唄はサトル編グッドエンドの結末の伏線である(籠(内海)の中の鳥(双子)は いついつ出やる 夜明け(17日の朝)の娩に つるとかめがすべった うしろのしょうめんだーれ)。
じつは,こころ自身も妊婦に類する存在であると考えられる。なぜなら,こころの言動はプレイヤーに支配されており,それでありながらこころは冬川こころという所与の人格を有しているからである。こころの人格はプレイヤーの意識を内包している。避難小屋での最初の食事の時にどのメニューを選んでも,黄泉木も黛も同じメニューを選ぶのは,こころがそのメニューを選ぶことにプレイヤーの意識が関わっており,同時に黄泉木と黛に対してもプレイヤーの選択が影響しているからである。プレイヤーはこころの内面に潜み,悟(主人公)の人格として生まれている。同時にプレイヤーはゼロ次元意識である。
プレイヤーがラプラスの悪魔であると考えることも出来るが,そうすると確率論や多世界理論がでてくる。もともと不確定なシナリオ展開が,プレイヤーが関わることによって確定的になる。少なくともシナリオ中の登場人物(たとえばこころ)にとってはシナリオ展開は確定的なので,彼らにとってはプレイヤーがラプラスの悪魔かもしれない。しかし一方,考え方を変えてプレイヤーの選択にかかわらずシナリオ展開が確定的だと考えれば,選択肢のパターンだけシナリオの行き着く世界が確定的にたくさん実在する(多世界)。計画失敗エンドで悟(スーツ)が突如多世界解釈を叫ぶのはそういうことではないだろうか(ゲームのプログラム上はあらゆる選択肢の分岐が確定的に記述されているんだよね(笑))。
スフィア地下の榎本の量子テレポーテーションの説明で,Aliceを観測してしまうとBobが変化してしまうという説明があるが,それと同様のことがこころと悟(主人公)に対するプレイヤーの観測についてもいえる。このゲームはココロ編とサトル編が連動しており,かたほうのシナリオ展開によってもう一方のシナリオが変化する。そしてそれがinfinity loopの罠なのだが…。ココロ編とサトル編はいわばニワトリとタマゴの関係になってしまっているのである。ココロ編のエンドがサトル編のシナリオ展開に影響し,サトル編のエンドまで到達するとココロ編のシナリオが変わり,そのココロ編のシナリオのエンドが…。ループしている。サトル編のグッドエンドが全編のエピローグに見えるのは見かけだけだ。
| 精神 | コ | サ | α |
| 肉体 | コ | サ | α |
| ↓転移 | |||
| 精神 | α | コ | サ |
| 肉体 | コ | サ | α |
| ↓転移 | |||
| 精神 | サ | α | コ |
| 肉体 | コ | サ | α |
穂鳥の肉体は2011年1月の朱倉岳の山中で出てくる。もし穂鳥がギリギリまで生きていたとしたら,犬伏と穂鳥とωで意識が転移していたことになる。
これに対して,穂鳥は犬伏の別人格ではないかという可能性も指摘されるかもしれないが,それを肯定するには,犬伏の肉体にω意識が転移していたという事実を棄却する必要がある。しかし「オレの部屋」や榎本殺害現場での犬伏の奇行や,こころがスフィア転移時間に犬伏が失語症であることをもDIDで説明しなければならなくなるうえ,人格の変わるタイミングが時空間転移と同じというのはデキスギている。だから,穂鳥は朱倉岳にいた人格と考えた方がスマートだ。(TIPSにも書いてあるが,全シーンタイトルを表示させる必要がある。)
では,悟(プレイヤー)がスフィアにいるときの犬伏はなぜ自分を穂鳥だと名乗ったのか。可能性はいくつか考えられよう。まず,意図的に穂鳥を騙った可能性がある。動機は周囲の警戒をかわすためだろう。次に,自分が犬伏だという自覚をなくしていた可能性がある。自分が穂鳥だと思いこんでしまったということである。犬伏景子が未だDIDかそれに近い重症であり,精神的に不安定であればじゅうぶんありうることである。
また,犬伏はDIDか。それとも一貫して連続殺人犯(J)か。彼女の言動は実に不安定である。これが演技でありDIDでない可能性もあるし,演技でないなら,DIDかあるいは重い精神分裂症の類だろう。気になるのは,シーンタイトルに「DID発現」というものがあることだ。これは,犬伏のDIDが発現した(連続殺人犯の人格が現れた)ことを意味するのか???
穂鳥の人格はおそらく事故のショックで失語症に陥ったものと思われる。こころ意識がスフィアにいるときは犬伏(意識は穂鳥)は一貫して言葉を話せない状態にある。サトル編グッドエンドでの犬伏はそう,犬伏の人格である。なんとも後味の悪い「グッドエンド」だ。
ちなみに穂鳥の人格はどうなったのだろうか。死んだという可能性,犬伏の肉体に隠れているという可能性が考えられる。17日4時に朱倉岳サークルが穂樽日に次いで青鷺島に転移,朱倉岳にはスフィアサークル次いで穂樽日サークルが転移したはずだが,こころの意識はそのまま朱倉岳にとどまっているとするなら,転移先に意識が入るべき肉体(悟)がなければ意識も時空間転移するということなのか。17日5時,悟を追って内海・犬伏はスフィアサークルを出たのはスフィアサークルが朱倉岳にあるときである。このとき穂樽日にωがいなかったので犬伏の意識は犬伏の肉体とともにスフィアサークルにある。一方,この転移の前にすでに穂鳥が死んでいたという可能性が高い。悟は穂鳥の肉体を目撃しているが,このときはさすがに穂鳥の肉体は死んでいたのではないだろうか(「生きられなかった影」)。それまで穂鳥は飛行機から投げ出され雪に埋もれたまま生きていたと考えられる。じっさい,スフィアで穂鳥(体は犬伏)がふるえているのをこころ(体は悟)が目撃している。
時計台に上がるにはIDカードが必要である。内海や犬伏はスフィアの患者なので入れないのではないだろうか。ゆには動機もないし,朱倉岳サークルに行かなければならないという事情も含めて外すべきだ。とすれば,まず考えられるのが榎本(体は優希堂)である。榎本が悟を時計台にあげたことも発言からわかるので,榎本が突き落とした可能性がある。動機はなんだろう??
あるいは,悟の見た影が自分自身の影だった可能性。ブロッケンの妖怪。プレイヤーの影かもしれない。悟(榎本の肉体)に宿ったプレイヤーの副人格(影)。
α意識がひとりでおぼれただけという可能性がある。とくに睡眠薬を飲んだ場合。逆に睡眠薬を飲まなかった場合は明らかに誰かに襲われているので,ω意識の犬伏に沈められた可能性が高い。
悟意識の時のバッドエンドから犯人は犬伏と思われる。 ただ,左腕を斬られたのは悟意識とこころ意識の入れ替わりの間。つまりα意識のときなので,ω意識の犬伏に斬られたと思われる。
話の筋からいって,α意識のときに飲んだのだろう。 もしこころ意識の悟が言いつけを守らずに食べ物を食べていたなら,このとき致命的な結果に陥ることになる。
影とは何か。自分を自分と認識している自我が自己の意識的な部分であり,自己には自我の認識しない無意識的な部分が存在する。それが,自己の意識的部分が投影された影。つまり自己から自我意識を取り除いた部分である。
こころや悟に対してあたかもプレイヤーが憑依したような考え方もあり得るが,一方で,もともとこころや悟の無意識的部分=影がプレイヤーの意識であり,こころの中では一貫してプレイヤーが影であり続け,悟の場合は時計台から落ちた時点で影が表に出てきたものとみることもできる。
主人格が自我として現れているときの副人格はその人の無意識=影として潜在していることになる。
Self とは自己のことである。「影が来たんだ」の影とは,潜んでいた影=副人格が発現したことを意味すると思われる。「セルフはどこ?」というのは自己認識が崩壊している状態である。聞き慣れた言葉で言おう。自己同一性の危機=アイデンティティクライシスだ。サトル編グッドエンドで悟が「あなた誰?」と言われて自分が何者か分からなくなっている状態も,「セルフはどこ?」状態である。影が自分自身を求めている状態。
なお,避難小屋初日でこころ・黄泉木・ゆに・黛が同じメニューを選んだ(共時性=シンクロニシティ)のは集団的無意識ということができるだろう。
また,バッドエンドでは顕著に出てくるが,黄泉木や内海には潤一を亡くした心的外傷が,黛は生きようとするあまりにわがままや憎しみがあり,それが暴走して殺意に変わることがある。彼らが隠していてグッドエンドでは現れないこともあるこのような感情は,彼らの自我がコントロールできない無意識部分であり,これも「影」ということができる。内海計画実行エンドで,内海が書いた「セルフはどこ?」は,犬伏の事件の真似であろうが,うがった見方をすれば内海自身が自分で自分を見失っていた。
なお,αやωはまだ胎児であるので,自我が未発達であり,意識無意識がない交ぜになった状態である。それはある意味で自己が統一性を保っている状態である。
本物の優希堂が言うアイツとはプレイヤーの意識=「オレ」の意識のことだ。彼はアイツ=プレイヤーの意識を目の敵にしている。ダビデとサウルの話は,ダビデ=プレイヤーの意識でサウル=優希堂の意識を意味すると思われる。
ワタシとは。こころ意識に内包されている,ココロ編のプレイヤーの人格である。こころ自身の一人称は「私」であり,「ワタシ」ではない。「ワタシ」は「私」でない自分のたとえだ。こころの影のことである。
「ワタシを殺す記憶の迷路」は,プレイヤーを閉じこめるinfinity loopのことだ。
このゲームは,プレイヤーがゲームの外で超然とした存在であるという当然の事実に対しての挑戦であり,すなわちプレイヤーをゲームシナリオ中のアクターとして引き込んで,さらにゲーム内のinfinity loopに閉じこめようとしているのである。量子論で観測者が観測すると観測対象が変化してしまうこと,多世界解釈で観測者自身のも量子的世界の一部として考えていること,それと同様に,プレイヤーが入ってきたことによってプレイヤーがゲームの世界の一部を構成し,ゲーム世界が変化する。しかし変化の行き着く先は最初から客観的に確定的なものである。プレイヤーが入ってくる前のゲーム世界はすでに客観的な確定的な世界だ。
こころや悟たちをシュレーディンガーの猫にたとえるなら青酸ガスは朱倉岳では「死神」ないし黛のわがままと黄泉木の心的外傷であり,スフィアでは犬伏ないし内海の復讐感情である。穂樽日は? αとωか? いずれにせよ,観測者はプレイヤーでありラジウムはプレイヤーの選択である。多世界解釈ではプレイヤーが関わる前から客観的に確定的な複数の世界が同時に存在している。猫の生死は複数のエンドに対応している。プレイヤーの選択は主観的な確率であり,その選択の結果確定的に定められた結果に結びつくのであり,事後的な客観的確率は100%だ。
まず,2012年のゆにがこころ(たち)を助けるために2011年の朱倉岳にやってくる。このとき2011年のゆには2012年の青鷺島に迷い込んでいる。2011年にやってきたゆにはこころたちが雪崩に巻き込まれることを知っているから,こころたちを助けることが出来る。こころたちは2012年の青鷺島に抜け出す。2012年のゆには朱倉岳に残って救助隊に助けられる。しかし2011年にやってきたゆには後に2012年のゆにになるのだから,矛盾しているように思われる。??? 罠だ。
なぜゆにはHAL18便に乗っていたか。スフィアに向かうため? スフィアにいるゆに(2011)はなぜスフィアにいるのか悟に問われてパニックに陥る。ゆにはスフィアを知らなかったはずである。スフィアに向かうためにHAL18便に乗っていたわけではないだろう。ところで,黄泉木は? 潤一の墓参りのためだ。黛は? 悟(2011)に会うためだ。
さて,時空間転移の計画を起こしたのは2011年7月の悟と榎本だ。とすれば,最初の2011年1月には時空間転移など起きていなかった。このとき,ゆにやこころたちは朱倉岳に遭難し,ゆにだけが生き残る(飛行機から投げ出されて避難小屋にたどり着いたのではないか?)。ゆには事故のショックで入院。救出された後のゆにはスフィアに収容されていてもおかしくはない。2011年1月,悟は少なくとも日本にいたが,黛が事故に遭い,悟はオーストラリア行きを取りやめる。その後の悟はどこにいたのだろう? 2011年7月,悟と榎本は穂樽日にいなければならない。計画を始動させなければならないからだ。そして,2012年1月時点では悟と榎本はスフィアにいた。これはどういうことか。計画を始動しなくとも悟と榎本が2012年1月にスフィアにいなければならないのである。だとすれば,計画を始動していない時系列の中ではおそらく,少なくとも悟は7月にスフィアにいたのではないか。悟の部屋(「オレの部屋」)に雑誌やオーストラリア行きのチケットがあることからもそれが推測される。というわけで,まず,2011年7月のスフィアにはゆにも悟もいた。内海は? 穂樽日だろうか。スフィアという可能性もある。実際には7月には計画が実行されているので,ともかく,もはや知らない世界に,パラレルワールドに陥ってしまっている。2011年7月のゆに。彼はこころに命を助けられ,こころを雪崩から救おうと考える。2012年1月にスフィアが朱倉岳に転移するときに朱倉岳に出て,朱倉岳サークルに入り,黄泉木たちを避難小屋に導く。しかし,そのときゆにが持っていた新聞には17日にこころたちが雪崩に巻き込まれたことが記されている。とすれば,ゆにがいなくともこころたちが避難小屋にたどり着いたことになるが…。おかしい。そもそも新聞は本物なのだろうか?? ここで,最初はこころたちは避難小屋にたどり着いていなかったと考えてみよう(シーン「絶望の深淵」(山小屋遭難エンドもしくはスフィアジェノサイドエンド)参照。最初は11日にこころたちは死んでいたのだ)。そこにゆにが時空間転移で助けに入って避難小屋に導いたとする。しかし,ゆにの計画が失敗したら? たとえば,サトル編のグッドエンドの途中で,黄泉木と内海と犬伏と2011年ゆにが朱倉岳サークルに入ってしまうという事象が起こる。このとき,彼らを助けることが出来なければ,たまたまX地点で雪崩に巻き込まれ(ここでX地点が出てくるのだ。救援物資などない),ゆには偶然生き残り,ほか三人は死亡。遺体は腐乱したあとに発見され,黛とこころの遺体だと推定されてしまう。すると,そのときの新聞は…。さらにこう考えてみよう。ココロ編のグッドエンドは何を意味するのか? おそらく,ココロ編のグッドエンドではサトル編は解決していないのだ。こころの録音した内容は7月。実際にはこころは生きており,新聞に書かれている遺体の身元の推論が誤っているとすれば。だとすればこころはどこにいたのだと追求されそうだが。2011年の穂樽日? 2012年1月の青鷺島? 少なくとも2011年1月ではない。2011年1月にいたら,こころが死んだと誤認されるはずがない。このココロ編グッドエンドのばあい,黄泉木と内海と犬伏は死んでいる。一方2012年1月11日のゆには,いずれにせよ朱倉岳で遭難したこころたちを助けに行っているはずなのだ。ここではじめて新聞を持って行ったとしたら。黄泉木・内海・犬伏の死亡という結果が生じた場合の2012年1月11日のゆには,新聞記事からこころたちが死んだものと依然誤解していると思われる。だから新聞を持って行ったとしたらどうだろうか。最終的には,サトル編グッドエンドのように全員が救出される。が,サトル編グッドエンドが発生しないでゆにだけ生き残っているうちは,2011年1月から2012年1月のゆにはinfinity loopの罠にはまったままなのだ。
さらに,ゆには黛のコートと同じものを2011年1月の朱倉岳に持ち込んでいた可能性がある。墜落現場捜索で同じタイプのコートが見つかっている。そのコートの方が黛のものだとしたら。いや,そもそも,2011年1月にゆにが助かった際に黛のコートを持っていた可能性がある。そのコートを持ってもう一度2011年1月の朱倉岳に戻ってきたら?
さて,2011年1月,HAL18便になぜゆにが乗っていたのか。これは依然謎だ。たとえば,潤一の命日を前にして潤一の化身が帰ってきたとでも言うのだろうか?? だいたい,ゆには何者なのか? trickster とは,「詐欺師; トリックスター ((秩序の破壊・創造を担う神話的存在))」(三省堂EXCEED)。こころたちが死ぬという時系列秩序を破壊する存在かもしれない。それこそDeus ex Machina?
サトル編グッドエンドの後は新聞や雑誌の記述は本当ではなくなる。その後,新聞や雑誌はどうなるのだろうか。記事の存在が消滅するのかもしれない。だから新聞や雑誌は本物かもしれないし偽物かもしれないのだ(不確定;シュレディンガーの猫)。
赤は朱倉岳,青は青鷺島。白は穂樽日(計画失敗エンド参照)。
こころは女性で赤,悟は男性で青。αとωをあわせて白なのだろうか。いや,厳密には赤と青と緑が合わさらないと白にはならない(光の三原色)。プレイヤーの存在がかかわっているのだろうか。穂樽日という地名だが,朱倉岳=赤色,青鷺島=青色なら,穂樽日=蛍色のはずだ。蛍色はなにか。黄色? 緑? しかしサトル編計画失敗エンドを見る限り穂樽日のイメージカラーは白だから,ここでは蛍色は白だと思う。
エンドでの文字。原則としてココロ編は赤,サトル編は青だ。しかし,白文字がある。それはココロ編グッドエンド。これはどういう意味か。ココロ編もサトル編も終わっていないことを意味しているのか。ココロ編グッドエンドの続きがサトル編グッドエンドに合流しているからココロ編グッドエンドは「終わって」いない。続きはサトル編に繋がっているのである。もしくはココロ編グッドエンドでこころが最後にいる場所は穂樽日という可能性も否定しない。こころが2011年7月にいたとするなら,彼女は2012年1月より前にいて,彼女の生死は,2012年1月の悟やゆにたち,そしてこころ自身をも含めた人々の行動に左右される。彼女の生死は不確定であり何も終わっていないんだよ? 新聞記事の真偽も不確定だ。こころには確かに2012年1月にスフィアにいた記憶があるが,しかしまだ「終わって」いない。まだ無限のループに囚われている。そういう意味でもこころは確かに「籠女」なのだ。
テラバイトディスクの内容は誰が書いたのか? 可能性として,悟or榎本・ゆにがあげられる。あと,プレイヤー自身だ。
テラバイトディスクはゆにが持ったまま2011/01-2012/01 loopをぐるぐる回っているが,その初期はloopの外から持ち込まれたものだろう。
そもそもテラバイトディスクの内容は何か。「ゆには存在するべくして存在する」というのはどういう意味か。内海たちはテラバイトディスクの内容をどこで見て得心したのか。リビングの端末ではディスクドライブがなさそうなので,スフィアの中でテラバイトディスクが見られるのは地下の榎本部屋ではないだろうか。としたら,内海たちは榎本部屋に入ったことになる。内海や犬伏はスフィアの患者であり,おそらく榎本部屋に入るIDカードは持っていないか,その権限が付与されていないのではないだろうか。だとすれば,榎本が内海たちを榎本部屋に入れたのだろうか。榎本の死体を見たときにアッサリ流されているのも,内海たちが榎本(体は優希堂)と面識があれば理解できる(しかし死体処理はどうしたんだろう(苦笑))。とすれば,テラバイトディスクの内容を書いたのは悟or榎本の可能性が高い。しかし,何のために??
テラバイトディスクの内容を書いたのがゆにだとしたら。時空間転移について1年間勉強してきたとゆには言っている。とはいえ,時空間転移のことについてはテラバイトディスクに書いてはいまい。だとすればなぜテラバイトディスクを持っていたのか。それは,2012年の内海たちを納得させるためということになるのだろうか。
もう一つの可能性。それはテラバイトディスクの内容はプレイヤー自身の意識が書いたということ。サトル編が始まる前にプレイヤーはココロ編をプレイしてエンディングに到達している。その情報がテラバイトディスクに書き込まれていたら。言ってみれば,memory cardのシステムのセーブデータのようなものだとしたら。そうすればゆには存在しなければならない。たしかに「存在するべくして存在する」。だとすればテラバイトディスクを運んでいるゆにはプレイヤーの代理人(預言者)か。テラバイトディスクの内容はプレイヤーのプレイによってどんどん書き込まれ,情報量が増えていくことになる。プレイヤーがゲーム世界のループを繰り返せば繰り返すほど内容は多くなる。それはゲーム世界においては,プレイヤーが与えた預言書かもしれない。サトル編でゆにが次の転移時刻を知っていたのは,ココロ編の転移の事実を受けてのことだろう。そしてテラバイトディスクは2011年1月と2012年1月の間にとどまる。「歴史は繰り返される。いつまでも変わることなく永遠に」
こころや悟(プレイヤー)はDIDか。こころの中にプレイヤー意識が隠れているが発現しない。また悟(プレイヤー)の中には本物の悟の意識が隠れている可能性があるが発現しない。この状態ではDIDとはいえないだろう。もっとも,悟が時計台から落ちる前の自我はプレイヤーではなく悟であるから,時計台から落ちている最中の人格の変化をDIDととらえることはできないではない。そういう意味では悟(プレイヤー)の人格は内海の言うように時計台から落ちたときに産声を上げた新しい人格である。じっさい,プレイヤーがプレイを開始したときに悟の中にプレイヤーが感情移入ならぬ意識移入したのである。悟(プレイヤー)が記憶障害に陥っているのは,悟の自己の中には完全な記憶があるにもかかわらずプレイヤーがそれを思い出すことが出来ないからという推測ができる。初期,悟(プレイヤー)は記憶障害を記憶移植であるとする仮説を立てているが,必ずしも正しいと言い切れないのだ。
なお,人格転移現象はDIDと異なる。人格や意識という表現を使うと混乱しがちだが,時空間転移によって入れ替わるのはこころや悟の自己全体である。言い方を変えれば記憶全体である。実際,ココロ編では転移後もこころとしてプレイヤーが関与するし,サトル編では避難小屋でも優希堂悟らしい言動がなされる。自我も影も同時に転移しているのである。だから,スフィアにこころが転移してきたとき悟の影が発現したわけではないし,朱倉岳に悟が転移してきたときこころの影が発現したわけではなく,したがってDIDではない。
2012年のスフィアで榎本と悟の自己が入れ替わっているが,このことから彼らは自己を入れ替える技術をすでにもっていたことがわかる(人格転移はコーヒー転移実験のように時空間転移を行えばよい)。
TIPSをすべて埋めるとTIPS110に優希堂悟の「双子の」妹でDIDの優希堂沙也香という人物の存在が明らかになる(TIPS110というのも狙ってやったことだろう)。優希堂沙也香は11年前(当時10歳)に死んでいる。
思うに,序盤に出てくる少女は優希堂沙也香で,彼女を助けると約束したのは優希堂悟ではないだろうか(「回想シーンの中でのみ登場」)。実際には11年前に優希堂沙也香は死んでいる。約束を守れなかったのだろうか?
あくまでも推測として,優希堂沙也香の精神は犬伏景子に受け継がれているのではないだろうか。優希堂悟は時空間転移も人格転移もできる。2012年のスフィア地下で優希堂悟の肉体に榎本の人格が付いていたではないか。だとすれば,その技術を使えば優希堂沙也香の意識を助けることが出来る(なぜ犬伏景子の肉体を利用したのか。もしかすると沙也香の死因は先天性のものに由来するのかもしれない)。2年前(2009年)に犬伏景子は病院に現れ黄泉木潤一たちを殺す殺人事件を起こしている。それまで犬伏景子は何をしていたのか,なぜ突然事件を起こしたのか。思うに,11年前の優希堂沙也香と2年前の犬伏景子の間で人格交換を行ったのではないだろうか。「セルフはどこ?」は単にDIDだから(自我(人格)が自己を統括できていない)なだけではなく,精神と肉体の不一致から出た言葉(サトル編グッドエンドと同様)という可能性もある。
では,なぜ朱倉岳・青鷺島転移を行ったか。可能性としては黛を助けることが考えられる。「鈴の世界を見つける」と約束したからだ。ココロ編グッドエンドのままでは黛は助かるが犬伏(の肉体)が死んでしまう結果に陥るので,サトル編グッドエンドの結果に達する必要がある。なぜ,朱倉岳に対して青鷺島をターゲットに時空間転移を行ったか。それは,朱倉岳に悟が行く必要があったからだろう。榎本はスフィア地下で,悟の記憶が失われてしまったことを嘆いているが,悟の記憶が失われていなかったら悟は朱倉岳から黛を助け出したはずなのだ。
そうすると,なぜ穂樽日が必要だったか,αとωが必要だったかという疑問が生じる。また,スフィア地下でなぜ優希堂の体に榎本の精神が入っていたかが気になる。
あくまでも仮説だが,悟は沙也香とともにαとωに入って双子の兄弟として生まれ直そうとしていたということが考えられる。同時に黛を朱倉岳から助け出す。その黛のために優希堂の肉体を残しておいたのではないか。悟の精神がαのなかにいるとき,αとωの精神は朱倉岳の山中にある。こころと穂鳥の精神はスフィアにある。こころの肉体と穂鳥の肉体がこのまま朱倉岳で死んで,スフィアの榎本の肉体と犬伏の肉体はDIDで片づけられてくれれば問題は起こらない。榎本や犬伏の肉体に入る精神は黄泉木であってはならない。内海が勘づいてしまうおそれがある。あるいは朱倉岳から黄泉木(αとωの父)も助け出そうとしていたのかもしれない。幼児期の精神が残酷で,それを押さえるために未熟な肉体があるとすれば,幼少期の環境によって自己がコントロールできなくなりDIDになったり残酷な感情がコントロールできなくなるものだとしたら,沙也香はまともな生育環境で育ち直すことができればDIDを取り除くことが出来るかもしれない。もう一つの精神の転移である穂鳥・犬伏・ωのリンクの意味はここにあるのかもしれない。三点間転移を行う必要があるなら,αとωは朱倉岳と青鷺島の中間点である穂樽日にある方がバランスがとれている。
悟は沙也香と黛の命を奪った神を憎んでいた。彼は神に抗おうとした。運命に逆らおうとした。運命を信じないこころのような立場からいえば,未来を定める超然とした存在(ゲーム世界ではプレイヤー)に抗おうとした。しかし,神(プレイヤー)は舞い降り(「こんなことになるなら時計台にあげなければよかった」),こころを助けようとし,ゆにが行動し始めた。榎本(体は優希堂)は殺された(これは悟の想定外の事象である;計画失敗エンド参照)。計画失敗エンドでは黛もしくは犬伏が死ぬので計画は大失敗だ。ちなみに,αとωを完全な存在,神にたとえるなら榎本(体は優希堂)は神に殺された。
オープニングの歌である「little prophet」とは何か。prophetは,予言者ないし預言者だ。ストレートに解するとゆにのことか。ただ,預言者ならばダビデやサウルともいえる。
「真っ白の太陽」とは何か。穂樽日であり,そこにいたαとωであり,原点(始まり)であり終わりであり,ゼロ次元の存在であり,完全な存在であり,ゲーム世界を観測して確定化するプレイヤーである。真っ白の太陽が見つめるものとは,「あとは、言わなくてもわかるでしょ?」。
なぜ寝たいのか。胎児だから。あるいは終わらせたいから。ゲーム世界を終わらせたいから。あるいは,プレイヤーが徹夜でゲームやりすぎて眠いから(爆)。熟睡中に出る脳波はδ(delta)波。浅い眠りの時はσ(sigma)波。覚醒状態で出るのはβ波。
「アイツ」によって「彼ら」が求めた結果へと導かれ,虚像は象徴を経て実像になる。
「アイツ」は神であり運命でありプレイヤーだ。「アイツ」は性別のない三人称であり,ゲーム世界の優希堂や榎本が直接触れることの出来ない存在であり,ワタシとオレの複合体である。
"imaginary"は不確定の世界・「虚」で,"real"は確定された世界・「実」である。プレイヤーのゲーム内での選択によって,ゲーム世界のエンドが確定化される。
では,「彼ら」とは誰か。これが分かりづらい。可能性として,まず優希堂と榎本ということがあげられる。もしくは,生き残ろうとしたこころたちという可能性(サトル編グッドエンドで彼らは生き残る)。あるいはプレイヤーの複数形という可能性。あと,ワタシとオレやゆにのことだという可能性。「真の目的はシナリオの全貌、すなわち生き残る事にあります。」
| こころ | 「あーあ、私も赤ちゃん欲しいな」 |
| 悟 | 「どんなに頑張っても、ひとりじゃできないけどな」 |
| こころ | 「うーん、それもそうねぇ〜」 |
| こころ | 「じゃあ悟、手伝ってくれる?」 |
| 悟 | 「ぜひ、手伝わせてください」 |
| ゆに | 「おめでとう。ぱちぱちぱち」 |
| 悟 | 「やっぱりコーヒーにはクリープに限るねえ。
そう思うだろ、こころ」 |
| こころ | 「いや、スジャータでしょ」 |
| 内海 | 「こんにちは。 褐色の恋人ことカーリーです★」 |
| 悟 | 「言っておくが、母乳はやめてくれ」 |
| こころ | 「悟、なにが起きたのか知ってるんでしょ!
ちゃんと説明してよ!」 |
| 悟 | 「こころも見ただろう?。
スフィアの地下で横たわる死体を」 |
| こころ | 「うん」 |
| 悟 | 「彼の部屋にはMAO阻害剤とDMTがあった。
つまり彼はドラッグ中毒なんだ。 だから、時空間転移なんてはじめから存在しなかったんだ」 |
| こころ | 「それってどういう意味よ」 |
| 悟 | 「つまりこの世界は彼の脳内の幻覚なんだよ」 |
| こころ | 「夢オチかい!
つーか自分の脳内で自分を殺してどうすんねん!」 |
| その距離推定5マイル。 近づいてきた悟の頭を、思いっきり―― 丸めた新聞紙で引っぱたいた。 新聞紙を丸めて握りしめ、悟の頭を思い切りはたいた。 | |
infinityシリーズにおけるR11という観点でのコメントをする予定。考察というたいそうなボリュームにはならない予定。当然,infinityシリーズのネタばれ。
優希堂悟・冬川こころ。下の名前は前述。上の名前は,inifinityシリーズだから,優と冬(N7は優夏,E17は優美清春香菜)。だとすれば次回作があれば優と秋になるだろう。いずれにせよ,優と冬あわせてひとつ,一心同体。そして,主役はまさしくプレイヤー。
黄泉木聖司。ゲーム内的によみがえり。sage:賢者
内海カーリー。内側に海。包容力。あるいは羊水。カーリーはヒンズー教の女神で破壊を司る。
黛鈴。黛=眉墨。化粧。仮面:persona。鈴についてはN7参照。鈴のいる世界と無限ループ。ring。
涼蔭穂鳥。寒くて暗くて閉じこめられてて。
犬伏景子。影。
楠田ゆに。楠は神聖な木として神木とされていたりする。