たにぐち放浪記R

ひとりの人間が,生活と人生についてつれづれと書き連ねる日記。

Rは,Revenge のRではありません。 Restart かもしれないし, Reconstruction かもしれないし, Reinstall かもしれません。そんな意味でのRです。プロバイダの事情により昔のデータが飛びました。昔のデータはGoogleY!InternetArchiveに訊いてみてください。ご不便をおかけし申し訳ありませんが,よろしくお願いいたします。

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過去の日記

2009-09-28 (Mon)

_ [音楽] 9月なので一青窈の「ハナミズキ」について考察してみた

一青窈の「ハナミズキ」という名曲がある。知っている人は多いはずだ。この歌は,9・11の同時多発テロ事件をきっかけに一青窈が作詞した歌である。そしてこの歌は,あまりにも捨象しすぎたために難解な歌詞になっている。感性にあふれる歌であるとともに,非常に知的な(intellectual)歌だと思う。まだ9月なので考察してみた。

ハナミズキ。二子玉川(東京都世田谷区玉川)のドッグウッドプラザが着想だったそうである(dogwood:ハナミズキ)。なお,再開発により,このドッグウッドプラザはなくなってしまったが。ハナミズキの咲く季節は春の4月〜5月。花の色はピンク色。花言葉は「私の想いを受けてください」「返礼」。日本がアメリカに桜の木を贈った際に,お返しとしてハナミズキが贈られたというエピソードがあるそうである。

歌のほうは,葬送曲=レクイエムだと思う。故人の往生を願う祈り。そこにあるのは,故人への感謝の気持ち(花言葉が返礼)。遺された者の生きる決意。

歌詞の考察。

五月はハナミズキの咲く季節。ハナミズキのつぼみは,若くして非業の死を遂げた故人の象徴。「薄紅色の可愛い君」は,ハナミズキのつぼみであり,故人。

「水際」「船」「波」「白い帆」。三途の川を渡る。この世とあの世の境でハナミズキのつぼみをあげて別れる。初七日は,三途の川の波の少ないところを故人が渡れるように願う法要。

暑い夏の惨事。

「ゆきなさい」と送り出す。遺された者の生きる決意。

「果てない夢」が終わる。ふつう「夢」と聞くと良いイメージを想起するが,それが終わるとは。終わる。ひとつは,夢が叶う=終わる。もう一つは,悪夢が終わる。この世の争いが終わる。惨事の悪夢が終わる。胡蝶の夢のごときこの世の生が終わる。迷わず往生してくださいという祈りでもある。

波が止まる。争いが終わる。三途の川の波が止む。

我慢。この世を生きる。争いのこの世を生きる。ハナミズキのつぼみが花開き実を結ぶ=故人が往生したとき。「僕」は生きて,この世の争いをおさめる。

「僕」は誰で「君」は誰か? 「君」は若くして亡くなったひと,「僕」はその父だと,わたしは思う。

ハナミズキのつぼみは,まだ花開いていない。薄紅色は,花の色であると同時に若さのイメージ(たぶん女性だろうか?)。

「僕」はふつうに考えれば男性。

「僕」は,「君」に母の日にミズキの葉を贈ってくれと頼む。母の日は五月(ハナミズキの咲く季節)。ハナミズキは君の象徴であり,五月に花開き実を結ぶ。「母の日に贈ってくれ」と頼むのはふつう,母か,配偶者である父だろう。

作者である一青窈の人柄からいっても,この人は両親(故人)を大切に思っている人なので,そのほうがしっくりくる。

「好きな人」とは誰なのかははっきりと分からない。「君」の恋人か。それとも親や祖父母だろうか? 「百年」という数字の必然性も分からないが,長い時間という意味だろうか。

待たなくてもいい。知らなくてもいい。時が来れば,ハナミズキは花開き,実を結ぶのだから。向こうでゆっくりしていてください。ありがとう。

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